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年間評価制度の見直しポイントと導入時の注意点

辰巳 麻耶
2025年10月25日

「評価制度が形骸化している気がする」「社員の納得感が低い」――多くの人事担当者が直面する課題です。 
特に年間評価制度は、採用・育成・報酬すべての基盤となる仕組みであり、運用次第で組織全体のモチベーションや定着率に大きな差が生まれます。 
本記事では、評価制度を見直す際に押さえておくべきポイントと、導入時に注意したい落とし穴を整理します。 
また、体験型研修を通じて“対話と納得感”を生み出してきたaso-bizの視点からも、実践的なアドバイスをお伝えします。

目次

評価制度に潜む3つの課題

企業規模を問わず、多くの現場で共通して見られる課題は次の3点です。

① 評価基準が曖昧 
「上司によって評価が違う」「何を重視されているのかわからない」――この声は少なくありません。 
社内アンケートを実施すると、半数以上の社員が“評価に納得していない”という結果も珍しくありません(当社ヒアリングより)。 
評価軸が不明確なままでは、どれだけ制度を整えても信頼は得られません。

② 面談が形式的で成長につながらない 
「フィードバックが一方的」「次につながる話ができない」――評価面談が単なる“儀式”になっているケースもあります。 
本来は、評価面談こそが社員の成長支援と動機づけの起点であるはずです。 
しかし現実には、1年に1回・数十分の面談だけではフォローしきれないのが実情です。 
 
③ フィードバックが不足している 
年1回の評価では、行動改善が後追いになりがちです。 
日常的なフィードバックが欠けると、「努力が見えない」「不公平だ」と感じる社員が増え、エンゲージメント低下につながります。 
評価を“年に一度の採点”で終わらせず、日常的な対話の仕組みとして再設計する必要があります。

解決策と施策の方向性

1. 評価基準の明確化 
職務や役割ごとに「期待される行動」と「成果基準」を具体化することが第一歩です。 
たとえば営業職であれば、「受注件数」だけでなく「顧客との信頼構築プロセス」や「提案の質」も評価対象に含めるとよいでしょう。 
aso-bizのフレームワークでは、行動評価と成果評価をバランスよく設定することで、プロセス重視型のマネジメントを実現しています。 
 
2. 定期的な評価面談の実施 
年1回ではなく、四半期ごとのミニ面談を取り入れる企業が増えています。 
短いサイクルで目標進捗を確認し、課題を早期に共有することで、評価を「次の行動につなげる対話」に変えられます。 
また、面談の質を高めることで、上司と部下の心理的安全性も育まれ、信頼関係が深まります。 
 
3. フィードバックの多様化 
上司からの一方向的な評価にとどまらず、360度評価やピアレビュー(同僚評価)を導入する動きも広がっています。 
「一緒に働いていてどう感じたか」という視点は、組織全体の協働意識を高めるきっかけになります。 
こうした“多面評価”を取り入れると、社員一人ひとりがフィードバックを自ら受け取り・活かす文化が醸成されます。

評価制度を「対話のデザイン」として捉える

aso-bizでは、謎解きゲームやボードゲーム、マーダーミステリーなどの対話や戦略を重ねながらチームメンバー同士が協力しながらワークに取り組む研修を提供しております。そこでは、「相手を理解する」「建設的に意見を伝える」といったコミュニケーションの力が自然と磨かれます。 
この構造は、まさに評価制度の本質であると考えています!!

どんなに制度を整えても、最終的にそれを活かすのは“人と人との対話”です。 評価を「点数をつける仕組み」ではなく、信頼を育てるプロセスとして設計する。 360度評価等を活用して評価にも双方向性が生まれると、より実態に近い評価が得られるのではと思います。

ぜひ考え方を参考にしてみてくださいね。

まとめ

評価制度の見直しは、単なる制度改革ではなく、組織文化の再設計です。 

評価基準の透明化・面談の定期化・フィードバックの多層化を進めながら、日々の対話を積み重ねていくことが、持続的な成長を支えます。 

aso-bizでは、こうしたコミュニケーションを支援する研修・ワークショップを提供しています。 
制度設計やアセスメント等、実践的な評価の検討にぜひご相談ください。

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この記事を書いた人

辰巳 麻耶

2016年にジョイン。観光促進を目的とした謎解きイベントの企画・ディレクションに従事。2020年からは、謎解きの「関係性を生み出す力」に着目し教育や組織開発分野へと拡大し法人向けサービス「aso-biz」を立ち上げ、チームビルディングを支援している。強みは“最強のフォロワーシップ”。趣味はアナログゲーム、旅行、日本酒、食べること。